lipopolysaccharide(LPS)誘発ラットdisseminated intravascular coagulation(DIC)モデルに対して,PGI
2誘導体であるベラプロストナトリウム(BPS)を投与することに伴う病態への影響を検討した.Wistar系雄性ラットを用いて,LPS 5.0 mg/kgを尾静脈より4時間かけ点滴静注し,LPS誘発DICモデルを作成した.BPS単独とLPS+BPS投与群については,BPS 0.2 mg/kgをLPS投与開始30分前から投与し,LPS投与終了まで4.5 時間持続点滴した.その結果,BPSはLPSによる血小板数およびフィブリノゲンの低下を有意に抑制し,thrombin-antithrombin complex(TAT)およびD-ダイマーの上昇を有意に抑制した.また,肝,腎障害も有意に改善した.同モデルにおいては血中tumor necrosis factor-α(TNF-α)およびinterleukin-6(IL-6)濃度の上昇がみられたが,BPS投与により有意に抑制された.以上より,LPS誘発ラットDICモデルに対するBPSの投与は,炎症性サイトカインの抑制,及びDICの改善効果が確認された.
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