Points
(1) ヒトの閉構造プラスミノーゲン(PLG)全長の結晶構造が決定され,PLGはダイヤモンド形の分子構造であることが明らかにされた.
(2) 分子表面に露出したクリングル(KR)1ドメインのリジン結合部位が,PLGとフィブリンの相互作用の開始点であると考えられる.
(3) 2個のCl−イオンがプラスミノーゲンの閉構造を安定化させている.
(4) 活性化の際に切断されるArg561-Val562結合は,複数の構造要因により切断されにくい構造をとっている.
(5) PLGはKR1ドメインのLBSを介してフィブリンのC末端リジン残基に結合しフィブリン血栓に動員される.さらに,安定性の低いKR5ドメインがPApドメインから離れ,PLGは開構造へとコンフォメーションを変化させ切断を受けて活性化する.
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