日本血栓止血学会誌
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25 巻, 3 号
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特集 血栓止血領域に繋がる代謝研究
総説
  • 野上 恵嗣
    2014 年 25 巻 3 号 p. 371-379
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    要約:血友病は因子活性値が臨床的重症度と極めて相関を示すため,活性が<1 IU/dl は重症,1~5 IU/dl は中等症,> 5~<40 IU/dl は軽症と分類される.しかし,検査上重症度と臨床症状が相関しない症例もしばしばみられる.因子活性と臨床的重症度の乖離には様々な要因が考えられ,凝固一段法による因子活性が生体内全体の止血凝固能を反映するという考えにある程度限界がある.近年,動的および包括的な血液凝固機能評価の測定法が発展してきており,トロンボエラストグラフィー,凝固波形解析,トロンビン生成試験が代表的であり,最近では血流下血栓形成測定法の報告もある.コンピューター化され,凝固過程の定性的評価,さらに算出したパラメータによる定量的評価も可能である.そこで,因子活性と動的凝固の把握による包括的凝固機能測定を組み合わせることにより,患者本来の凝血学的止血能の把握をすることが可能である.さらに,出血の重症度予測や止血管理の方針や,長期にわたる止血方針も立案することも可能と考えられる.
  • 野口 暉夫
    2014 年 25 巻 3 号 p. 380-387
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
原著
  • 後藤 美和, 竹谷 英之, 川間 健之介, 新田 收
    2014 年 25 巻 3 号 p. 388-395
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    要約:血友病患者のQOL(quality of life)には,関節内出血やインヒビター,感染症,関節症,日常生活活動(ADL)などの関与が推察される.本研究の目的は,血友病患者の健康関連QOL(HRQOL)に最も影響を及ぼす要因を明らかにすることである.16 歳以上の血友病患者を対象に,基礎情報と社会的背景,身体的・精神的サポート満足度,ADL,HRQOL(SF36)を調査した.有効回答は259 名(37.5%),平均40.9 歳であった.重症者が64.5%で,HCV(hepatitis C virus)陽性が78.8%,HIV(human immunodeficiency virus)陽性が35.5%,インヒビター保有は8.9%であった.ロジスティック回帰分析にて,HRQOL に最も影響を与える要因は,身体的健康度はADL で,精神的健康度は職場からの身体的・精神的サポートの満足度であった.血友病患者のHRQOL 向上において包括的な介入が必要で,身体的健康にはADL 向上が,精神的健康には就労支援が重要である.
トピックス
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