日本血栓止血学会誌
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25 巻 , 5 号
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特集 細胞クロストーク:血管と臓器・組織制御
  • 増田 治史
    2014 年 25 巻 5 号 p. 593-602
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    要約:傷害を受けた組織の再生修復過程において,血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell; EPC)は血管再生機能を有する.また,傷害組織において,単球・マクロファージ,リンパ球の血液細胞群が炎症性から抗炎症・血管・組織再生性に機能転化することが判明している.傷害組織では,これらの細胞群の細胞間および組織とのクロストークにより,炎症環境から抗炎症,血管・組織再生環境に転換,整備され,血管・組織再生が達成される.近年,EPC をはじめ,これらの血液細胞群の「再生環境の整備」機能に関する研究が脚光を浴びている.本稿では,循環器系における血管・組織再生治療法開発の観点から,EPC,単球・マクロファージ,リンパ球の「再生環境の整備」機能に関する最近の知見を紹介する.さらに,われわれの研究室で開発した「再生環境の整備」を担う血液細胞群の増幅培養系とその細胞特性および将来的な臨床応用の可能性についても紹介させて頂く.
  • 高倉 伸幸
    2014 年 25 巻 5 号 p. 603-608
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    要約:従来より,既存の血管に存在する血管内皮細胞は,どれも単一な細胞集団であり,既存の血管から新しい血管が形成される際にも,既存血管から単調に細胞増殖と細胞移動が生じて,新規血管分枝が形成されると考えられてきた.しかし,実際にはそうではなく,血管新生の過程では血管分岐の方向を決定するガイド役の内皮細胞や,増殖活性が高く血管分枝の長さを決める内皮細胞,そして血管を成熟させる内皮細胞の少なくとも異なる3種の内皮細胞が存在することが判明してきた.さらに,既存の血管には未分化性を維持して,かつ内皮細胞の産生能の極めて高い幹細胞様の細胞も存在することが解明されてきている.
  • 福原 武志, 渡部 徹郎
    2014 年 25 巻 5 号 p. 609-614
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    要約:血管は,全身に分布して生体機能を維持するための酸素や養分を供給する役割を果たすだけでなく,老廃物を廃棄する働きもしており,結果として動的均衡を保ちつつ生体恒常性を維持させている.全ての血管の基本構造として,内腔を敷石状に単層からなる血管内皮細胞に覆われており,また外側は血管構造の維持や収縮•弛緩をつかさどる壁細胞により被覆されていることが知られている.体内には血管系とは別にリンパ管が存在し,そこにはリンパ管内皮細胞が,血管内皮細胞と同様に単層で内腔を被覆している.血管とリンパ管はいずれも体液の動的恒常性を担う二大脈管系であるので,この動的均衡が様々な理由により破綻すると,代表的には動脈硬化や脳梗塞,あるいはリンパ浮腫といった疾患を引き起こすこととなる.とくに血管恒常性の破綻に伴う疾患は分子実態が解明されつつある.本稿では,血管動態を制御するシグナル伝達のうち,transforming growth facto(r TGF)-βファミリーシグナルとその関連シグナルに焦点を当てて概説する.また腫瘍や線維化の過程に関与するTGF-βシグナルを標的とした分子標的薬の事例とその臨床試験の結果についても解説してみたい.
トピックス
凝固・線溶・血小板タンパク質の機能発現機構
  • 加藤 恒, 冨山 佳昭
    2014 年 25 巻 5 号 p. 619-628
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    Points
    ①インテグリンαIIbβ3は血栓形成に必須の分子で,その活性化状態はinside-outシグナルにより厳密に制御されている.
    ② αIIbβ3 細胞外領域の「折れ曲がり」構造から「起き上がり」構造への変化がαIIbβ3 へのリガンド結合を可能にすると考えられている.
    ③ Inside-out シグナルによるtalin のβ3細胞内領域への結合がαIIbβ3の活性化に必須であり,talinの結合によりαIIbβ3細胞内領域,膜貫通領域に構造変化が誘導される.
    ④ Talinのβ3細胞内領域への結合に始まりαIIbβ3細胞外領域の起き上がり構造への変化に至る一連の機構を明らかにすることは,今後新たな抗血小板療法につながると期待される.
DIC 診断基準暫定案
SPC委員会活動報告
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