Points
①インテグリンαIIbβ3は血栓形成に必須の分子で,その活性化状態はinside-outシグナルにより厳密に制御されている.
② αIIbβ3 細胞外領域の「折れ曲がり」構造から「起き上がり」構造への変化がαIIbβ3 へのリガンド結合を可能にすると考えられている.
③ Inside-out シグナルによるtalin のβ3細胞内領域への結合がαIIbβ3の活性化に必須であり,talinの結合によりαIIbβ3細胞内領域,膜貫通領域に構造変化が誘導される.
④ Talinのβ3細胞内領域への結合に始まりαIIbβ3細胞外領域の起き上がり構造への変化に至る一連の機構を明らかにすることは,今後新たな抗血小板療法につながると期待される.
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