日本血栓止血学会誌
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26 巻 , 3 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
特集 老化と血栓症
  • 山本 晃士
    2015 年 26 巻 3 号 p. 265-271
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
  • 長尾 毅彦
    2015 年 26 巻 3 号 p. 272-275
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    要約:虚血性脳血管障害と加齢の関係には2 つの側面がある.加齢とともに増加する基礎疾患とくに心房細動から引き起こされる心原性脳塞栓症,そして動脈硬化の伸展から発症するアテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞である.脳は他の臓器と異なり,主幹動脈と細小動脈の動脈硬化の進行度が大きく異なり,均等ではない.主幹動脈の動脈硬化に起因するアテローム血栓性脳梗塞は虚血性心疾患同様に動脈壁のアテローム(粥腫)が原因となる.一方細小動脈の動脈硬化に起因するラクナ梗塞では,硝子脂肪変性を基盤とした血管内腔の狭小化が主体で,この変化は高血圧性脳出血と近似しているとの指摘が多い.近年では,脳出血の前段階とされる微小出血および大脳白質の虚血性変化と併せてsmall vessel disease と総称されるようになった.
  • 佐藤 稔
    2015 年 26 巻 3 号 p. 276-283
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    要約:加齢変化と病的変化の病理学的区別は必ずしも容易ではない.すなわち,病的腎障害と老化による腎組織変化には共通した病理組織学的変化が認められ,腎障害には共通した進行過程が存在する.したがって,腎老化のバイオマーカーは,腎障害マーカーで代用できる.糸球体濾過機能のバイオマーカーとしては,古くから用いられている血清クレアチニンや,新規の糸球体障害マーカーのシスタチンC,さらに全身の血管内皮機能を反映すると考えられるアルブミン尿などが上げられる.尿細管障害のバイオマーカーとしては,尿中β2 ミクログロブリン,尿中肝型脂肪酸結合蛋白が有用である.また,腎の老化には酸化ストレスが大きく関与しており,8-ヒドロキシデオキシグアノシンや終末糖化産物などの酸化ストレスマーカーも有用であろう.最近では炎症性老化や腎性老化といわれるあらたな老化の概念も提唱されている.腎老化の早期発見のためには,現在ある腎障害のマーカーを組み合わせて定期的に検査することが望ましい.
  • 中神 啓徳
    2015 年 26 巻 3 号 p. 284-289
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    要約:動脈硬化の進展とともに血管局所での骨分化関連分子の発現増加が観察される.また,血管石灰化スコアが心血管イベント発症とよく相関することから,血管老化に伴う血管石灰化の分子機構が注目されている.慢性腎臓病患者で血管石灰化がよく観察されるが,腎臓からのリン排泄障害により過剰状態となるため,続発性副甲状腺ホルモン亢進から骨粗鬆症や血管石灰化を助長すると考えられる.また,高血圧患者でも同様に一般に尿中カルシウム排泄量増加により続発性副甲状腺ホルモン亢進から骨粗鬆症を助長することも知られている.加えて,われわれは血管局所でのレニン・アンジオテンシン系およびRANKL(receptor activator for Nuclear Factor kappa B ligand / osteoclast differentiation factor: ODF)システムが血管石灰化形成に関連することを見出した.このように加齢に伴う血管石灰化は臓器連関や分子間クロストークなどにより進行すると考えられるが,その制御機構の解明および介入試験によるベネフィットなど今後の発展を期待したい.
  • 西條 美佐, 菅波 孝祥, 小川 佳宏
    2015 年 26 巻 3 号 p. 290-296
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
  • 内藤 篤彦
    2015 年 26 巻 3 号 p. 297-301
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    要約:個体老化とは「加齢に伴い死亡率が増加する原因となる様々な臓器の機能低下」と定義される生命現象である.加齢に伴って免疫系が老化する結果,免疫系本来の非自己を排除する機構と炎症反応を制御する機構が低下し,高齢者で認められる易感染性や慢性炎症が引き起こされる.補体分子C1q は自然免疫系において重要な役割を果たす因子であり,免疫系の老化が引き起こす慢性炎症に伴って血中濃度が増加することが知られているが,われわれはC1q が補体経路非依存性に加齢に伴う骨格筋の再生能低下という老化現象の原因になっていることを報告している.本稿では前半に加齢に伴う免疫系の老化現象について概説し,後半では補体分子C1q による老化誘導のメカニズムについて述べる.
  • 野間 玄督, 木原 康樹, 東 幸仁
    2015 年 26 巻 3 号 p. 302-309
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    要約:血管の老化には,狭義と広義とに分けて考える必要がある.狭義の老化は,加齢・暦年齢に伴う血管障害であり,広義の老化は,加齢に加えて生活習慣病,運動不足,閉経などに伴う総合的な血管障害である.いずれにせよ,血管障害は老化に伴う合併症の中心の一つである.血管障害は,器質的障害が出現する前に,血管内皮機能障害が出現する.近年,薬物・運動療法などによる循環器合併症の発症予防において,内皮機能をサロゲートマーカーとして用いて経時的にモニターすることの重要性が注目されつつある.血管内皮機能の評価法は模索されているが,非侵襲的なFMD やRH-PAT が中心となっている.まだ現時点においてはどの検査法が最適なる血管内皮機能評価法かの答えは出ていないが,予後予測因子としての内皮機能検査の有用性は確立されつつある.狭義であれ広義であれ,老化による血管障害は,ヒトの平均寿命のみならず,健康寿命をも低下させ,QOL,ADL を著しく低下させる.適切かつ正確な内皮機能を測定し,最適なる治療戦略を練ることによるアンチエイジングの新時代が始まりつつある.
  • 段 孝, 宮田 敏男
    2015 年 26 巻 3 号 p. 310-317
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
総説
  • 丹羽 利充
    2015 年 26 巻 3 号 p. 318-322
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    要約:慢性腎臓病(CKD)患者では心血管疾患(CVD)の発症率および死亡率が高くなり,心腎連関といわれている.CKD が進行すると血中に尿毒素が蓄積してくる.尿毒素であるインドキシル硫酸は腎障害を進行させるのみでなく心血管障害をきたす.またCKD 患者ではステント血栓が起こりやすいなど向血栓傾向がみられる.インドキシル硫酸は血管内皮細胞,血管平滑筋細胞,末梢血単核球において組織因子の発現を亢進させる.さらにCKD 患者の血中組織因子濃度は血漿インドキシル硫酸濃度と正相関している.CKD の進行期では血中に蓄積しているインドキシル硫酸が血管細胞の組織因子の発現を亢進させ,向血栓傾向をきたしている可能性が示唆されている.
トピックス
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