血友病保因者(hemophilia carriers: HC)も男性の血友病患者と同様に出血傾向を示すことが明らかになった.治療介入の必要性が高まり,女性血友病患者(women and girls with hemophilia: WGWH)やHCの新しい命名法が提言された.女性特有の過多月経や出産などの出血リスクだけでなく,血友病に特徴的な関節内出血を認めたHCの報告もあり,これらに対応するため,早期の第VIII/IX因子活性値測定が推奨されている.我が国でも実態調査が進行中だが,WGWHやHCの病態や治療法に関する課題も多い.偏見や心理的負担が彼女たちの障壁となる中,精神的・身体的に健康で前向きにライフイベントに取り組める支援体制の構築が望まれている.