日本輸血細胞治療学会誌
Online ISSN : 1883-0625
Print ISSN : 1881-3011
ISSN-L : 1881-3011
52 巻, 5 号
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  • 松本 憲二, 中内 啓光
    2006 年 52 巻 5 号 p. 583-588
    発行日: 2006/10/27
    公開日: 2010/03/12
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  • 若本 志乃舞, 藤原 満博, 宮崎 孔, 高橋 大輔, 佐藤 進一郎, 中島 文明, 森田 庄治, 寺木 佳子, 福森 泰雄, 佐藤 博行, ...
    2006 年 52 巻 5 号 p. 589-598
    発行日: 2006/10/27
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    抗血小板抗体陽性血液製剤が血小板活性化能を有する場合に, 血小板減少のみならず, 非溶血性輸血副作用 (nonhemolytic transfusion reactions: NHTRs) を誘導する可能性が示唆されている. 我々はこれまでに, NHTRs (ショック) と血小板減少を誘導した血液製剤のドナー (イニシャル: SS) 由来抗CD36抗体陽性血漿が健常人血小板活性化能を示したこと, 本症例のドナー由来抗血清 (SS serum) 以外に, 13例中1例の健常人由来抗CD36抗体陽性血清 (抗CD36血清) において血小板凝集の誘導がみられたことを報告している. 各抗CD36血清において, 血小板活性化能に差がみられたことは, 抗CD36抗体陽性血液製剤がNHTRsを誘導するか否かを規定する要因が存在することを示唆していると考えられる. 今回, 抗CD36血清中の抗体価が抗血清による血小板活性化能の有無に関与している可能性を調べるため, 16例 (SS serum 及び serum#1~#15) の抗CD36血清の血小板活性化能と抗体価を測定し, 解析した. 血小板活性化は血小板凝集反応に加え, RANTESの放出反応を指標とした.
    血小板活性化能を有する2例の抗血清 (SS serum と serum#1) の抗体価はいずれもx512であったのに対し, 血小板を活性化しない抗血清ではx128以下であった. SS serum と serum#1を抗体価x128に希釈すると, 血小板活性化能はみられなかった. 抗血小板抗体の中には, 単独では血小板活性化能を示さないが, 低濃度の血小板アゴニストの存在下において血小板活性化作用を示す抗体が存在することが知られている. 本検討では, SS serum と serum#1をそれぞれ抗体価x256とx341に希釈すると, 血小板凝集は減少するが, 低濃度のエピネフリンとの相乗作用により, 抗体価x512の各抗血清単独による凝集率と同等の値まで増加した. 一方, 抗体価x128に希釈したSS serurn, serum#1及び抗体価x128以下の他の抗CD36血清は, エピネフリン存在下においても血小板凝集反応は誘導しなかった.
    抗CD36血清による血小板活性化は抗体価に依存したことから, 抗CD36抗体陽性血液製剤の輸血によりNHTRsが発症するか否かに血液製剤中の抗体価が関与することが示唆された.
  • 梶本 昌子, 藤井 基裕, 松本 善行, 石井 博之, 宮田 義久, 稲葉 頌一, 星 友二, 鈴木 光, 柚木 久雄, 田中 正嗣, 丸田 ...
    2006 年 52 巻 5 号 p. 599-606
    発行日: 2006/10/27
    公開日: 2010/03/12
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    2004年10月に医療機関から輸血後HBV感染が疑われる症例が報告された. この患者に輸血された33本全てについて個別核酸増幅検査 (個別NAT) を行ったところ, 一人の献血者から得られた血液が陽性と確認され, 患者と当該血液のHBV-DNA sequence はほぼ一致し, 因果関係が認められた. この献血者は, 54歳男性で過去11年間に78回の献血歴があり, HBs抗原陰性で個別NATが所々で陽性となる occult HBV carrier であった. 同献血者の血液は, 過去3回, 輸血後HBV感染の疑いとして報告された患者に使用されていた. 報告を受けた時点では, 個別NATが全て陰性であったため, 感染の因果関係が立証できなかった. 今回, 過去の3例のうち2例について, 発病時の患者検体と献血者血液のHBN-DNAに相同性 (99.8~99.9%) が認められ肝炎の原因血であったことをほぼ証明することができた. さらに献血者の過去40回分の保管検体について個別NATを行うことができた. 輸血後6カ月以上の調査が可能であった12名の受血者は全て血液疾患患者で化学療法時に輸血をうけていた. うち4名は輸血後血清学的HBVマーカーの陽転化が認められたが, 他の4名に陽転化は認められなかった. 本症例は, 個別NATを実施してもすべての occult HBV carrier を検出するのは困難であることを証明した. また免疫機能低下患者においては, 個別NAT陰性である occult HBV carrier の血液により感染するだけでなく, 肝炎を発病することが明らかとなった.
  • 2006 年 52 巻 5 号 p. 618-619
    発行日: 2006/10/27
    公開日: 2010/03/12
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