妊婦に対する貯血式自己血輸血(Preoperative Autologous Blood Donation,PAD)に関するアンケート調査を実施し,貯血から輸血までの安全情報を解析した.
PADを行った2,378人の妊婦のうち,1,664人は自己血のみの輸血を受け(自己血群),146人は自己血に加え同種血輸血を(同種血群),568人は輸血を受けなかった.201人(8.5%)が貯血および輸血により何らかの有害事象(Adverse Event,AE)を経験したが,重症度は低かった.血管迷走神経反応(Vasovagal Reaction,VVR)の発生率は2.6%.VVR以外のAEは4.8%で発生し,そのうち32.5%は妊婦特有だった.輸血副反応(Transfusion Reaction,TR)を起こした単位あたりの人数は,自己血群と同種血群の間で大きな差はなかった.
AEは妊婦特有なものも多く,自己血群と同種血群の間でTRの発生率に大きな差はなく,PADの優先性を示せなかった.一方,重症度は低く,PADは比較的安全だった.妊婦に対するPADは,AEを管理できる輸血管理システム下で実施されるべきである.
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