熱物性
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23 巻, 1 号
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論文
  • 田中 勝之, 安野 拓也, 東 之弘, 奥崎 俊一, 片倉 辰男
    2009 年 23 巻 1 号 p. 14-20
    発行日: 2009/02/28
    公開日: 2010/02/15
    ジャーナル フリー
    p型とn型の熱電素子を直接接合した構造の温度変化センサ(熱電温度変化センサ)を提案し,試作した.試作したセンサの熱電素子には,高いゼーベック効果がある放電プラズマ焼結法で作製したβ-FeSi2系熱電半導体を用いた.この熱電温度変化センサの特性を評価するため,センサを室温から温度差のある恒温水槽へ投入したときのセンサからの起電力を測定し,温度差と起電力との相関関係から温度変化センサとして機能することを確認した.このとき,約30Kの温度差に対して,約5mVの最大起電力が得られた.さらに,熱電温度変化センサの特性を数値解析によって,熱電素子の長さや直径などの形状の依存性とゼーベック係数や熱伝導率,密度,比熱などの物性値の依存性を明らかにした.
  • 萩原 清市, 坂井 悦郎, 佐藤 博, 浅賀 喜与志
    2009 年 23 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 2009/02/28
    公開日: 2010/02/15
    ジャーナル フリー
    コンクリートを大気中で打設するとセメントの水和反応による温度上昇で,中心部と表面部に温度勾配が発生し,その状態で硬化が進むと温度応力によりひび割れが発生する[1.2]。このひび割れを未然に防ぐために断熱温度上昇の測定は不可欠である。従来の装置は,セメントの開発により,多様化した測定に対応しきれないため,長期間の測定で断熱性に優れ,温度上昇巾の広い測定が可能な装置の開発が切望されていた。今回は,比較的少量のモルタルを用いて,長期に亘る断熱温度上昇測定を高い精度で,しかも,再現性の良い測定を目指して,恒温槽と断熱温度制御システムを重点に開発を行なった。その装置を用いてのテストピース(模擬試料)を用いた実験では,ほぼ片台形の曲線が得られ,再現性は0.2Kであった。また,温度上昇時の直線性は0.5%以内であり,断熱精度は0.05KDay-1の結果が得られた。
  • 実験的特性を用いた相関式の開発
    冨田 大輔, 小西 つむぎ, 蛯名 武雄, 西野 智路, 横山 千昭
    2009 年 23 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 2009/02/28
    公開日: 2010/02/15
    ジャーナル フリー
    定量的構造活性相関により308 K, 20MPa における有機化合物の超臨界CO2への溶解度を計算した。溶媒和現象を制御する分子構造特性を解明するために、まず、実験と理論から導き出された特性を用いて32 の有機分子の308 K, 20 MPa における超臨界CO2 への溶解度の定量的構造活性相関式を開発した。使用した実験的特性は融点であり、理論的特性はCOSMO-PM3 法で求められる分子軌道の塩基性度、双極子モーメントである。308 K, 20 MPa の結果を基に、328 K, 12.7 MPa における超臨界CO2への溶解度に対する定量的構造活性相関式を決定した。融点と双極子モーメントを考慮することにより、相関精度は飛躍的に向上した。
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