ジクロロメタン(CH
2Cl
2)、トリクロロメタン(CHCl
3)およびテトラクロロメタン(CCl
4)の蒸気の乾燥空気、窒素および酸素に対する拡散係数を、温度範囲318~453Kにおいて大気圧下でTaylor分散法を用いて測定した。ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタンとも、乾燥空気を窒素または酸素で置き換えても拡散係数の値は事実上変化しないことがわかった。また、拡散係数の値は分子量の増加とともに小さくなり、トリクロロメタンおよびテトラクロロメタンに対する値は、ジクロロメタンに対する値に比べて系統的にそれぞれ約14%と25%小さくなった。測定結果は、
D =
ATBの形の相関式で再現することができる。ここで、
D(cm
2s
-1)は101.325kPa(1 atm)における拡散係数、
T(K)は絶対温度である。係数
Aおよび
Bの値は、ジクロロメタン-(空気、窒素、酸素)系に対しては
A = 8.67×10
-6、
B = 1.66、トリクロロメタン-(空気、窒素、酸素)系に対しては
A = 7.90×10
-6、
B = 1.65、テトラクロロメタン-(空気、窒素、酸素)系に対しては
A = 9.36×10
-6、
B = 1.60である。
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