衝撃波管内で蒸気中を伝播する衝撃波が管端で反射した際に管端面で生ずる膜状凝縮について,液膜の成長速度を光多重反射干渉計で測定し,測定結果を分子気体力学で解析することにより,常温でのメタノールの蒸発係数及び凝縮係数を決定した.測定は気液界面での蒸気の非平衡度σ/ρ
*が1≤σ/ρ
*<1.3の範囲でなされた.その結果,凝縮係数は気液界面での蒸気の非平衡度が1≤σ/ρ
*<1.05の領域では蒸発係数(=0.86)とほぼ同じ値をとること,σ/ρ
*>1.05の領域では非平衡度の増大とともに蒸発係数よりも小さくなっていくこと,さらに著者らが用いてきた気体論境界条件はσ/ρ
*<1.05の領域で有効であることを明らかにした.
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