熱物性
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29 巻, 4 号
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  • 栗原 清文, 加藤 太志, 松田 弘幸, 栃木 勝己
    2016 年 29 巻 4 号 p. 166-172
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/05/19
    ジャーナル フリー
    高圧気液平衡を3次型状態式と過剰自由エネルギー型混合則で算出する方法が数多く提案され,現在PSRKやLCVMが実用的に広く使われている.本研究はSoave-Redlich-Kwong (SRK)3次型状態式とMHV1混合則にグループ寄与法ASOGを組み合わせたモデルMHV1-SAを提案し,先ず,5種の2成分系について常圧用ASOGグループ対パラメータを用いて高圧気液平衡の推算を行った.次にグループCO2,CH4を含む30対のグループ対パラメータを新たに決定し,二酸化炭素,メタンを含む2成分系高圧気液平衡を推算した.さらに,PSRK,LCVM,PRASOGによる推算値との比較を行ったものである.
  • 國 拓也, 戸谷 剛, 佐藤 敏文, 磯野 拓也, 脇田 督司, 永田 晴紀
    2016 年 29 巻 4 号 p. 173-178
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/05/19
    ジャーナル フリー
    本研究では超小型人工衛星用蓄熱材料として,結晶転移によって蓄熱を行うトランス-1, 4-ポリブタジエン(TPBD)に注目した.同一のサンプルに対して蓄熱量の測定および分子構造の測定を行った.測定結果から,TPBDの分子構造内の-CH2の自動酸化によるC-H結合の変化が,蓄熱量に影響を与えていることが確認できた.連続使用の中での蓄熱量の変化を確認するために熱サイクル試験を行った.熱サイクル試験によって得られた温度履歴から蓄熱量及び放熱量の算出を行った結果,蓄熱量は60 J/gから90 J/gの間に,放熱量は-65 J/gから-100 J/gの間になることが分った.静止軌道衛星約4年半の運用期間に相当する1700回の蓄熱および放熱では蓄熱量の熱サイクル劣化は確認できなかった.
  • 楢﨑 将弘, 生田 竜也, 西山 貴史, 高橋 厚史
    2016 年 29 巻 4 号 p. 179-184
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/05/19
    ジャーナル フリー
    1本の多層カーボンナノチューブ(MWNT)の狙った位置に集束イオンビーム(FIB)を段階的に照射しながらその熱抵抗を計測し,FIB照射によるMWNTのアモルファス化が熱輸送に与える影響を調べた.複数の試料でFIB照射の位置を変えて計測したところ,熱抵抗の増加量はすべて1回目の照射時が最も大きく,照射回数が増えるにつれてその増加量は減少する傾向が得られた.この結果はナノスケールの材料の熱輸送は拡散的ではなく,フォノンの弾道性を考慮しなければならないことを示しているが,同時に熱伝導率が長さのべき乗に比例するという単純なモデルでは説明できないことも示している.
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