Stefan法による気体の拡散係数の測定装置を開発し,パイレックスガラス製の内径4×10
-3mの蒸発管を用いて,ジエチルエーテル蒸気の乾燥空気に対する拡散係数
Dを大気圧,303.15K(30 °C)において測定した.測定条件である拡散経路長
L(≃ 80,120,160×10
-3m)および空気流量
Q (0.8~83×10
-6m
3s
-1(50~5000 cm
3min
-1))を系統的に変化させ,蒸発管開口直前の空気配管(内径8×10
-3m)に整流用のポリエステルわたのプラグを挿入した場合としない場合を比較した.整流用わたにより測定値のばらつきは減少するが,測定に適した空気流量
Qの範囲は3~16×10
-6m
3s
-1(200~1000cm
3min
-1)から10~33×10
-6m
3s
-1(600~2000cm
3min
-1)に増加する.さらに,整流用わたの使用により,最も短い拡散経路長である
L ≃ 80×10
-6mmでの測定が可能になることもわかった.また,本研究の測定値(
D = 0.093×10
-4m
2s
-1)は,著者らのTaylor法による測定値の低温側への外挿値とよく一致した.
抄録全体を表示