熱物性
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30 巻, 4 号
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  • 髙橋 智, 阿子島 めぐみ, 田中 隆, 小川 光惠, 笈川 直美
    2016 年 30 巻 4 号 p. 176-181
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/04/27
    ジャーナル フリー

    遮熱コーティング用のセラミックトップコート(TC)の熱伝導率に及ぼす雰囲気の影響を明らかにするために,種々の雰囲気下で熱伝導率を調べた.プラズマ溶射法によって組織が異なる数種類の試験片を作製した.熱伝導率は,熱拡散率,比熱容量,かさ密度から算出した.熱拡散率は,大気中,N2,Arおよび真空中で測定した.いずれのTCにおいても熱伝導率は雰囲気に強く依存することが明らかになった.プラズマ溶射TCは表面と連結する開気孔を有するので,雰囲気中のガスは開気孔内に浸入し,ガスの熱伝導率がTCの熱伝導率に影響を与える.したがって,TCの熱伝導率を測定する際は,雰囲気も重要な要因として考慮すべきである.

  • 熊野 智之, 花村 克悟
    2016 年 30 巻 4 号 p. 182-191
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/04/27
    ジャーナル フリー

    本研究では,アルミナ表面に石灰釉をベースとするEr酸化物膜をコーティングし,膜の組成と1000°Cにおける近赤外放射率との関係を調べた.その結果,Er2O3の割合が50wt%の場合にバルクの石灰釉中に含まれるEr量が最大となり,Erの放射ピークである1.55μmにおける放射率が最大(0.75)となることが明らかとなった.この時,波長1~2μmにおけるふく射エネルギーはアルミナ板時の1.4倍である.この膜は多孔質体へのコーティングも可能と考えられるため,実用性に優れた波長選択エミッターへの応用に有効である.

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