熱物性

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近年，ナノ粒子断熱材や真空断熱材などの高性能断熱材の実用化が進み，工業炉や建築材料，家電製品，保温･保冷ボックスなど，様々な分野へ普及されるようになった．しかしながら，それらの熱伝導率を測定することは非常に難しく，また高価な装置を必要としている．その原因の一つが，フーリエ則を適用するために，一様な温度勾配を試験体内全域に作り出さなければならないことにある．そこで，不均一な温度勾配が一部に存在するような温度場でも測定可能な方法を提案し，単純で安価な熱伝導率測定装置の実現を試みた．本方法は，既に保護熱板法の測定精度向上のために提案されているが，今回，試験体を一枚のヒータで加熱するという単純な構造に対しても適用し，セラミックスファイバー断熱材とナノ粒子断熱材の熱伝導率を測定した．その結果，既往の研究結果に対して±10%以内で一致する値が得られた．

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