本解説は, 低温環境状態 (常温以下-80℃位までの温度範囲) における物質の熱物性および伝熱機構の特徴を具体例を用いて (I) および (II) の2回に分けて紹介するものである. 低温状態における熱物性値としては, 熱伝導率, 比熱, 温度伝導率, 熱膨張率を取り上げ, それらの熱物性値が, 対象物質の組成, 構造および含有する水の状態により, 様々に変化する様子を従来の研究成果に基づいて述べてある. さらに, 低温環境状態における物質の熱物性値の測定方法に関する問題点とその改善法についても言及してある.
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