背景:高気圧酸素療法(HBOT)は高気圧環境下で純酸素を投与し低酸素障害を改善する治療法であり,圧変動が耳痛を引き起こす。
目的:当院におけるHBOT施行中の耳痛発生状況とその背景を調査する。
方法:令和4年12月19日~令和5年12月19日にHBOTを受けた126名(治療件数1,717件)を対象に,性別,年齢階層,疾患別,初回治療群・非初回治療群に分け,それぞれにおける耳痛発生率および層別の耳痛発生時の気圧について検討を行った。
結果:全体の耳痛発生率は8.4%であった。特に80歳以上の高齢者や初回治療群で耳痛の発生率が高く,加圧初期に耳痛が多く発生する傾向が確認された。加齢に伴う耳管のコンプライアンス低下や,加圧変化への未順応が要因と考えられる。
結語:高齢者やHBOT初回施行時,加圧初期における耳痛リスクに留意し,丁寧な観察,耳痛の発生を緩和するための対応が重要である。
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