抗真菌剤であるピマリシンの耳科用製剤ミミィーナ
®の犬真菌性外耳炎への使用時における安全性および有効性を確認することを目的として使用成績調査を実施した。使用成績調査は, 副作用発現状況の把握を主目的とした安全性調査に加え, 承認時との有効性の比較評価を主目的として, 起因菌である
M. pachydermatisに対する抗菌活性を加味した判定基準に則った有効性調査を実施した。両調査より副作用発現状況の評価対象として644例, うち有効性評価対象として555例, さらに, 承認時との有効性比較評価の対象として82例を収集し得た。その結果, 644例のうち2例に副作用が認められ (発現頭率0.31%), その内容は投与部位発赤および投与部位痒み各1件であったことから, 承認時における安全性評価対象145例においては副作用が認められていないものの, 発売後における有意な発現頻度の上昇は認められなかった。また, 有効性評価対象555例における有効率は74.1%, うち承認時との有効性比較評価の対象82例における有効率が73.2%であったことから, 承認時の有効性評価対象65例における有効率73.9%に比して効果減弱傾向は認められなかった。これは, 承認時および使用成績調査における
M. pachydermatisに対するMIC
90が, それぞれ6.25μg/mlおよび4.0μg/mlであったことから, 起因菌に対する抗菌活性が良好に維持されているためと考えられた。
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