獣医臨床皮膚科
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11 巻, 4 号
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原著
  • 末信 敏秀, 下地 英実, 佐藤 正勝
    2005 年 11 巻 4 号 p. 177-187
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/10/27
    ジャーナル フリー
    抗真菌剤であるピマリシンの耳科用製剤ミミィーナ®の犬真菌性外耳炎への使用時における安全性および有効性を確認することを目的として使用成績調査を実施した。使用成績調査は, 副作用発現状況の把握を主目的とした安全性調査に加え, 承認時との有効性の比較評価を主目的として, 起因菌であるM. pachydermatisに対する抗菌活性を加味した判定基準に則った有効性調査を実施した。両調査より副作用発現状況の評価対象として644例, うち有効性評価対象として555例, さらに, 承認時との有効性比較評価の対象として82例を収集し得た。その結果, 644例のうち2例に副作用が認められ (発現頭率0.31%), その内容は投与部位発赤および投与部位痒み各1件であったことから, 承認時における安全性評価対象145例においては副作用が認められていないものの, 発売後における有意な発現頻度の上昇は認められなかった。また, 有効性評価対象555例における有効率は74.1%, うち承認時との有効性比較評価の対象82例における有効率が73.2%であったことから, 承認時の有効性評価対象65例における有効率73.9%に比して効果減弱傾向は認められなかった。これは, 承認時および使用成績調査におけるM. pachydermatisに対するMIC90が, それぞれ6.25μg/mlおよび4.0μg/mlであったことから, 起因菌に対する抗菌活性が良好に維持されているためと考えられた。
  • 藤村 正人, 阪口 雅弘
    2005 年 11 巻 4 号 p. 189-192
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/10/27
    ジャーナル フリー
    アトピー性皮膚炎の犬について, 異なる測定法を用いる3機関において実施したアレルゲン特異的IgE抗体測定結果と院内での皮内反応試験のそれを比較した。症例は44例で, 各機関において15検体ずつ, のべ45検体の血清中抗原特異的IgEの測定を実施した。両試験において共通する抗原, ハウスダストマイト, アスペルギルス, ギョウギシバ, ノミ, ブタクサ, オオバコの6つのアレルゲンに対する検査結果解析の対象として選択した。その結果, 3社のIgE検査と皮内反応試験の結果には, いずれも統計学的に有意な関係が認められた (H社p<0.0001, G社p=0.0254, S社p=0.0151)。
症例報告
短報
  • 園田 開, 林屋 早苗, 林屋 牧男, 長谷川 篤彦
    2005 年 11 巻 4 号 p. 199-204
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/10/27
    ジャーナル フリー
    2002年4月-2004年9月の間に東京都内の一動物病院に来院した症例犬543例について疾病別に集計した。その結果, 皮膚疾患が最も多く (223例, 41.1%), そのうちアレルギー性皮膚疾患が最も多かった (109例, 20.1%)。アレルギー性皮膚疾患の中では, アトピー性ないし食物アレルギー性皮膚炎は54.1% (109例中59例) であった。アレルギー性皮膚疾患の発生状況を犬種別にみた場合, アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの好発犬種とされる品種において, 今回の調査でも同様に発生例の多いことが確認された。このように今回の調査でも, 犬のアトピー性ないし食物アレルギー性皮膚炎の発生状況は, 一動物病院におけるものであるが, 欧米における同様の調査と比較して, 大差異ないものと思われた。
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