獣医臨床皮膚科
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12 巻, 2 号
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原著
  • 信太 将幸, 桃井 康行, 岩崎 利郎
    2006 年 12 巻 2 号 p. 81-86
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/11
    ジャーナル フリー
    東京農工大学において抗原特異的免疫療法(Allergen-specific Immunotherapy:ASIT)によって治療された全61例の犬アトピー性皮膚炎症例についてまとめ多角的に考察した。治療効果は以下の3つに分類した。著効:ASITのみ,またはシャンプーの併用療法のみで症状をコントロールできた。有効:ASITを実施する事により,副腎皮質ホルモンの投与量を減少する事ができた。無効:ASITによりなんら臨床的に改善が見られない,または悪化している。治療効果は開始後3ヵ月の時点で判定した。61症例において27例(44.3%)が著効,20例(32.8%)が有効,14例(23.0%)が無効のグループに分類された。すなわちASITにより症状の改善が得られたのは47例(77.0%)であった。統計学的有意差は治療開始年齢が0から2歳齢の群と6歳齢以上に治療開始した群で有意差がみられた。治療開始時に4歳齢以下であり,若齢発症で有病期間が短い症例はASITがより有効であることが示唆された。
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