獣医臨床皮膚科
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16 巻, 2 号
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症例報告
  • 渡辺 貴之, 星 克一朗, 石田 譲, 坂田 郁夫, 永田 雅彦, 代田 欣二
    原稿種別: 症例報告
    2010 年 16 巻 2 号 p. 57-60
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    10歳齢,去勢雄のペルシャ猫に腋窩および躯幹背側の脱毛,鱗屑と潰瘍を認めた。皮膚病理組織学検査で真皮全層にリンパ球の浸潤が観察された。免疫組織化学検査ではCD3,CD4,CD5,CD8,CD18陽性細胞が混在し,クロナリティーは認められなかった。プレドニゾロンとクロラムブシルの内服を実施したものの,皮疹は改善に乏しかった。腎機能が漸次悪化し,発症から約2年後に安楽死となった。剖検にて腎硬化症とリンパ球性胆管肝炎がみられたが,いずれの臓器にも転移を思わせる腫瘍病変は認められなかった。以上より,本症を皮膚リンパ球症と考えた。
  • 村井 妙, 安野 恭平, 代田 欣二
    原稿種別: 症例報告
    2010 年 16 巻 2 号 p. 61-65
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    2.5歳齢,避妊済みの雑種猫が,頚背部に著しく厚い痂疲を伴う排膿性皮疹を呈し来院した。病変は当初激しいそう痒から始まり,やがて掻爬部位に一致して瘻孔の形成を認めた。病変部の病理組織学検査では,線維化と好酸球性の無定形物質に取り囲まれた多数のグラム陽性球菌からなる特徴的な顆粒がみられ,単独あるいは融合した化膿性肉芽腫が認められた。それらの病理組織学的所見は,細菌性偽菌腫に合致するものであった。病変は,抗生物質の全身投与および外用による治療で,4ヵ月後にはほぼ治癒したが,ときおり掻爬により小さな病変が発現した。症例猫は猫免疫不全ウイルス抗原陽性であり,しばしば猫免疫不全症候群と考えられる症状を呈しており,免疫能の低下が細菌性偽菌腫の形成に関与した可能性が考えられた。
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