獣医臨床皮膚科
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24 巻, 3 号
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症例報告
  • 籾山 翔子, 布川 康司, 布川 伸子, 池田 博和, 川西 歩, 伊從 慶太
    2018 年 24 巻 3 号 p. 141-145
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/29
    ジャーナル フリー

    去勢雄,7歳齢のマルチーズが,顔や肉球に多発性の紅斑,びらん,痂皮を呈した。臨床および病理組織学的検査により,症例は慢性肝炎を伴った壊死性遊走性紅斑と診断された。肝庇護療法,アミノ酸輸液に加えて,脂肪由来幹細胞の静脈投与を行った結果,32日後に皮膚症状および低アルブミン血症は改善した。その後,アミノ酸製剤の補給を中止した後も,脂肪由来幹細胞療法を継続することで,20ヶ月間症状の再燃を認めなかったことから,脂肪由来幹細胞療法が犬の壊死性遊走性紅斑の有効な治療選択肢となる可能性が示唆された。

  • 羽田 麻梨絵, 田村 恭一, 織間 博光, 金園 晨一, 小松 隆志, 石村 剛志, 折戸 謙介, 永田 雅彦
    2018 年 24 巻 3 号 p. 147-152
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/29
    ジャーナル フリー

    ゾニサミドによる薬疹と診断した犬の2例を報告する。症例1は6歳齢,雌のマルチーズで紅皮症を,症例2は10歳齢,去勢雄のミニチュアピンシャーで多形紅斑-中毒性表皮壊死症を発症した。いずれの症例も症状,血液検査と病理所見からゾニサミドによる薬疹を疑い,その休薬により皮疹が消退した。リンパ球幼若化試験を実施したが2症例とも陰性であった。今後症例を集積しゾニサミドによる薬疹の発症頻度や病理発生の検討が必要と思われた。

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