獣医臨床皮膚科
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25 巻 , 3 号
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原著
  • 山本 真紀子, 影島 宏紀, 志津田 陽平, 瀬戸口 明日香, 小笠原 茂里人, 南 毅生, 丸山 奈保, 鈴木 基文, 安部 茂
    2019 年 25 巻 3 号 p. 133-141
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/20
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    マラセチア皮膚炎は犬では一般的な皮膚疾患であるが,再発性となりやすい。従来のアゾール系抗真菌薬の内服・外用療法は,耐性菌出現や肝毒性が問題であり,シャンプー療法は簡便とは言えない。そこで今回ヒトの介護現場で用いられているスプレー剤に着目し,犬9頭のマラセチア皮膚炎が疑われる皮膚病変部に1日2回ずつ3週間用いて臨床的な効果を検討した。試験期間を通した有害事象として1頭に軽度の一過性の発赤が認められたが,すぐに自然に消退した。スプレー使用により皮疹の重症度スコアとPVASは統計学的に有意に減少した(P<0.01)。病変部のマラセチア菌数は減少する傾向があるものの統計学的な有意差は認められなかった(P<0.01)。皮疹の重症度スコアとPVASが改善した要因としてスプレー剤の主成分であるD-LYZOXの抗炎症作用が考えられたことから,主成分であるD-LYZOXの抗炎症効果についてin vitroで検討した。抗炎症効果の検討には健康犬の好中球活性の抑制作用を用いた。D-LYZOXは犬由来の好中球の粘着反応を抑制し,抗炎症作用の存在が示唆された。以上よりヒト用のD-LYZOX含有スプレーはマラセチア皮膚炎が疑われた犬の皮膚病変部に対してPVAS,皮疹の重症度スコアを改善することが示唆された。またこれら臨床的な効果と,好中球機能の抑制との関連を明らかにする必要性を考察した。

症例報告
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