1976〜2004年の4月下旬〜6月下旬(高標高地では7月下旬)に北海道中部・南東部の642区画(5km×5km),調査路725か所でルリビタキの生息状況を調べた.このうちルリビタキが出現したのは,それぞれ71区画(11%),81か所(11%)であった.生息環境別の出現率はハイマツ林で92%,常緑針葉樹林で54%,針広混交林で37%,落葉広葉樹林で10%,カラマツ人工林で4%で,農耕地や住宅地では0%であった.ルリビタキは東部では標高50m以上,それ以外の地域では標高250m前後以上に生息しており,出現率は標高601〜800m以上で高くなった.調査路2kmあたりの観察個体数(平均値±SD)は,ハイマツ林では2.5±2.4羽,常緑針葉樹林では0.4±1.0羽,針広混交林で0.3±0.6羽,落葉広葉樹林で0.1±0.4羽,カラマツ林で0羽で,生息環境によって違いがみられた.また出現率は温量指数の低いほど高くなった.
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