特定外来生物アムールハリネズミの分布状況を静岡県伊東市,神奈川県小田原市において調査した.生息情報の収集は,1)わなによる捕獲,2)夜間探索による捕獲,3)住民への聞き取りおよび既存情報のとりまとめによっておこなった.本種は,伊東市では1995年に初めて確認され,その後,確認された地域は山地や市街地を除き,ほぼ同心円状に拡大し,2017年までの累積で61メッシュ(第3次地域区画)であった.小田原市では1987年に初めて確認され,2009年までの累積で7メッシュの範囲であったが,伊東市とは異なり拡大傾向は認められなかった.聞き取り情報から,本種の分布拡大には,人為的な移動が影響している可能性があると考えられた.
2018年3月~10月に,須須神社の社叢林(照葉樹林)においてコウモリ相の調査を行った.この結果,5種のコウモリ類が確認された.能登半島で森林性コウモリとしてコテングコウモリMurina ussuriensisが初めて確認された.
2018年5月~9月に,岐阜県飛騨北部の深洞湿原を含む深洞原生林にあるブナ林内においてコウモリ類の調査を行い,5種13頭のコウモリ類を捕獲した.森林性コウモリ類としてヒナコウモリ,ヒメホオヒゲコウモリ,モリアブラコウモリおよびコテングコウモリが,洞穴性コウモリとしてキクガシラコウモリが確認された.ヒメホオヒゲコウモリの出産哺育も確認された.
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