破損事例を調査しその原因を究明し対策をたてることは,その後の事故の再発防止やさらには実用的設計指針への活用が期待できるので,極めて効果的と考えられる.
本報告は,実機部材の破損事例四件を調査解析し,その後の破損防止に結びつけた場合について述べる.いずれの破損例も溶接部が破損に起因している.すなわち,それぞれの破損起点は,事例1では圧延機スタンドの肉盛補修溶接部,事例2ではアンローザ・イラコサイザの重ね継手すみ肉溶接部,事例3ではメッキ釜のかどすみ肉溶接部,そして事例4では油圧ジァッキ反力受げのアークストライクとなっている.
いずれの場合も,設計・製作・補修または使用条件の適正化により,破損防止に繋ぐことができる.
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