動物の繁殖期は気温の影響を受けるため,緯度に沿って変化する可能性がある。繁殖期を正確に特定するには,様々な地域における繁殖データを収集する必要がある。2024年5月初旬に,ムササビ(
Petaurista leucogenys)の生息地の最南端の島である九州において,本種の交尾期特有の行動を観察した。この調査地(北緯32度49分)における交尾日は5月5日から7日と推定され,これまでに本州の2県(北緯34度41分~35度35分)で合計14年間にわたって観察された本種の交尾日よりも約1週間早い。ムササビの交尾日と気温の関係をより詳細に調べるためには,九州の交尾の情報を増やすとともに,東北地方などより北の生息地における交尾情報を集める必要がある。
抄録全体を表示