愛玩動物看護師が国家資格化されたが,獣医療提供の対象は愛玩動物に限ったことではない。愛玩動物看護師の知識及び技術は他の動物分野でも汎用できる可能性がある。本研究では,飼養目的の異なる動物にたずさわっている愛玩動物看護師の役割と提供される獣医療に関わる業務内容の同異点について調査した。1次診療の動物病院勤務の愛玩動物看護師,水族館勤務の愛玩動物看護師,サル類を中心に飼育している実験動物施設・研究機関勤務の愛玩動物看護師を各1名対象とした。行動観察を3日間行い,観察時に見られなかった業務はインタビューにより確認した。業務内容は,米国獣医師会の動物看護学生のための技術リスト及び愛玩動物看護師カリキュラムを参照して分類した。分類は看護,外科看護,検査業務,獣医師・飼育者とのコミュニケーション等の他に,適正飼養や動物に関する理解の普及といった愛護・適正飼養,動物福祉に関わる項目を含め,11の大項目となった。行動観察の結果,どの愛玩動物看護師も大部分の項目で類似業務を担っていることが明らかとなった。異なる業務内容は,保定方法や入院時対応,動物導入時の検疫といった一部の公衆衛生対策等であった。これらはいずれも扱っている対象動物の違いによるものと考えられた。愛玩動物看護師の知識及び技術を備えている人材は,他の動物分野でも適切な獣医療提供に重要な役割を担うことが示唆された。
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