日本野生動物医学会誌
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4 巻 , 2 号
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資料
研究短報
症例報告
原著
  • 羽山 伸一, 鳥居 隆三, 和 秀雄
    1999 年 4 巻 2 号 p. 111-115
    発行日: 1999年
    公開日: 2018/05/05
    ジャーナル フリー
    滋賀県産野生由来のニホンザルを, 室温, 湿度, 光周期が一定の人工環境下において, 1年間にわたり飽食状態で飼育し, 月毎の体重と摂取エネルギー(kcal)を測定して, それらの季節変動を観察した。実験には, 人工環境下で2年以上飼育した成獣のうち, メス6頭, オス4頭を用いた。すべての個体において, 体重および摂取エネルギーは季節的に変化したが, それらのピークの時期には個体によるばらつきがみられた。個体毎の最大体重と最小体重の比は, 1.12〜1.37であった。体重増加期と体重減少期における平均摂取エネルギーは, どちらの性でも体重増加期の方が体重減少期より有意に多かった(p<0.01)。
  • 寺沢 文男, 北村 正一, 藤本 朝海, 羽山 伸一
    1999 年 4 巻 2 号 p. 117-124
    発行日: 1999年
    公開日: 2018/05/05
    ジャーナル フリー
    バンドウイルカ血液性状が, 血液一般検査3項目, 生化学検査18項目において, 摂餌前後でどのように変動するかを検討した。臨床データ:1990〜1997年に, バンドウイルカ成獣雄2頭と雌4頭から定期健康診断の目的で, 合計286回の採血を行った。摂餌前後で分けると, 空腹時の9〜10時に187回, サバ5.0〜10.0kgを摂餌させた13〜14時に99回採血しており, それらを比較した。実験データ:成獣雌2頭で, 空腹時の9時とその後からサバ8.0kgを摂餌された13時に採血し, それを5回行った。さらに, 同じ個体で, 空腹時の9時とそのまま餌を与えなかった13時に採血した。それも同様に, 5回行った。両者のデータで, 摂餌により中性脂肪と尿素窒素は増加し, クロールは減少した。一方, 実験データだけではあるが, 空腹によって遊離脂肪酸と総ビリルビンが増加することが示唆された。
  • 芦原 永敏, タデイ V.A., 本道 栄一, 北村 延夫, パイ V.D., カンポス V.J.D.M., ホリーク C.N., 山田 純 ...
    1999 年 4 巻 2 号 p. 125-133
    発行日: 1999年
    公開日: 2018/05/05
    ジャーナル フリー
    果汁食と果実・果汁食のコウモリ(Anoura caudiferおよびCarollia perspicillata)の消化管内分泌細胞を免疫組織化学的に検索した。胃ではセロトニン, ソマトスタチン, ガストリン, 腸グルカゴンおよびウシ膵ポリペプチド(BPP)の5種の内分泌細胞が認められた。噴門腺と胃底腺ではセロトニン細胞が多数認められ, 幽門腺では非常に多数のガストリン細胞と多数のセロトニン細胞とソマトスタチン細胞が認められた。腸グルカゴン細胞とBPP細胞はそれぞれ胃底腺と噴門腺のみに少数認められた。腸では, 胃で認められた5種の内分泌細胞に加えてモチリン, 胃分泌抑制ペプチド, ニューロテンシン細胞が認められたが, コレシストキニン細胞とセクレチン細胞は認められなかった。十二指腸腺にはセロトニン, ソマトスタチン, ガストリン, BPPの4種の内分泌細胞が少数ながら認められた。
総説
  • 押田 龍夫, 吉田 廸弘
    1999 年 4 巻 2 号 p. 135-141
    発行日: 1999年
    公開日: 2018/05/05
    ジャーナル フリー
    リス科全体のおよそ40%の種が分布するアジアは, リス類の研究を行う上で非常に重要かつ興味深い地域である。しかしながら, アジア産のリス類は, これまでに系統学的・進化学的視点からほとんど研究されておらず, その系統関係については多くの問題が残されたままである。著者らは, これらアジア産リス類の系統進化の過程を明らかにするために, 染色体の各種分染法および遺伝子の比較マッピングを用いた核型進化の解析を行っている。これまでに報告されている知見と近年著者らによって新たに得られたデータから, (1)アジア産の滑空性・樹上性リス類の核型は両腕性の染色体ではほとんど占められていること, (2)滑空性リス類では染色体の属内保存性が極めて低く, これに対して樹上性リス類では属内保存性が極めて高いこと, また(3)滑空性リス類の核型中には特徴的な二次狭窄または長い柄部を有する付随体が共通して見られ, この長い柄部を伴った付随体は樹上性リスであるタイワンリス属の核型中にも認められることが明らかになった。今後さらに多くのアジア産リス類の染色体を分析することによって, リス類の系統および進化の過程がより明確になり, また同時に, 細胞遺伝学的に重要な多くの知見を得ることができるであろう。
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