九州歯科学会総会抄録プログラム
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選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 牛島 直文
    p. 4
    発行日: 2009年
    公開日: 2025/03/07
    会議録・要旨集 フリー
    最近のインプラント器材および技術の進歩は目を見張るものがあり、マスコミを総動員 したインプラント熱は、患者サイドを巻き込み盛り上がりを見せている。しかし安易にイ ンプラントに走ることなく、ひとつひとつの歯を助けるべく最大限の努力を積み上げるこ とが本当の意味での患者との信頼関係を築く近道であろう。 歯を残すことは即ち、歯根膜をいかにして守るかにかかっている。歯根膜には、線維芽 細胞、骨芽細胞、破骨細胞とセメント芽細胞などが存在し、歯根膜のホメオスターシスを 維持している。骨芽細胞と破骨細胞は固有歯槽骨の形成に関与し、セメント芽細胞はセメ ント質形成を行う。歯根膜腔の中は神経血管が張り巡らされ、神経筋機構のシステムを構 築し、天然歯を守るとともに、咀咽機構を維持している。 インプラントと天然歯との比較では、臼歯部における最大咬合力においてインプラント 285Nに対し天然歯は435N、感圧試験において垂直圧では天然歯13.5gに対しインプラン ト284.3g、水平圧のもとでは天然歯13.4gに対して307gとMuhlbradtらは述べており、 歯根膜の組織の耐圧性や感度における素晴しさを如実に物語っている。そこで歯根膜サイ ドから、歯内療法、歯周療法、再生療法、M.T.M.,移植再植治療を見つめてみたいと思う。 現代の歯科界の経営基盤の安定から端を発したインプラント有りき、とするなら35年前 の“虫歯110番”が設置された差額徴収時代の二の舞をおもい出させるのは私一人だけで あろうか。 歯根膜を守ろうというこだわりこそ、患者側と診療側を繋ぐ太いパイプとなり、これか ら増々厳しさを増してくる医院経営において福音となりうると思う、ややもすると技が先 行しOverTreatmentとなりやすい、はやる気持ちをおさえ10年先の予知性をふまえ 個々の患者の治癒への状況を観察しながら急ぐことなく生体とともに歩み、確実に手助け をしてあげることが最も必要な事ではなかろうか。
  • 乳歯歯内療法、外傷、咬合誘導
    牧 憲司
    p. 5
    発行日: 2009年
    公開日: 2025/03/07
    会議録・要旨集 フリー
    小児歯科臨床は,肉体的にも情緒的にも常に動的に成長発育している小児に適した予防 および治療が要求され,最終的には健全な永久歯列育成への誘導を目標とします。した がってその診療の内容は、予防、矯正、保存、補綴、麻酔、外科、放射線など多岐の歯科 処置が包含されていることが特徴です。また処置の内容も成人におけるものとは、異なり がある点を十分認識しなければなりません。また少子高齢化に伴う社会構造の変化、また 学校や家庭等小児を取り巻く環境の変化も十分把握しながら、歯科臨床の場で小児に対応 する必要があります。 本シンポジウムは、健全な永久歯列形成を阻害する多くの要因の中で,特に「乳歯の歯 内療法」,「小児期の外傷J'「口と体の習癖からみた咬合異常への対応」に関し、小児歯 科分野でご活躍中の3人のシンポジストにそれぞれの立場でエビデンスとして確立されて いる点や今後の検討課題をご講演していただきます。まず河田安史先生には、小児歯科臨 床での大きな課題の一つである難治性の乳歯の感染根管処置への対応に関し、ご自身の長 い臨床経験の中で考案された「FC-CV法」に関し、その治癒機転のメカニズムなどを解説 していただきます。西田郁子先生には小児期の歯の外傷の診断および治療指針をエビデン スに基づきながら概説していただきます。大野秀夫先生には小児の「心」の問題と密接な 関連を指摘される口と体の習癖について説明していただき、その中止支援の考え方を症例 呈示していただきながらご講演していただきます。 このシンポジウムは,臨床家の先生方の日々の小児歯科臨床に必ずや有意義なものにな るものと信じております。
  • 河田 安史
    p. 6
    発行日: 2009年
    公開日: 2025/03/07
    会議録・要旨集 フリー
    今日の乳歯の歯内療法において、よく次のような事態に遭遇し困惑することはないで しょうか。生切治療後に発現した内部吸収に因る歯周炎の急速な進行・悪化、抜髄や感染 根管治療に際し出血の止まらない外部吸収等を伴う歯周炎への進行・悪化、あるいは歯内 療法が困難とされている著しく拡大した根尖病巣を有する、歯根安定期ないし生理的歯根 吸収期の根尖性歯周炎等で、抜歯に直面する時です。現在これらに対して適切な対応策は なく、乳歯歯内療法の限界と見倣されています。 そこで問題は何か?最終的に吸収されて永久歯と交換する宿命をもつ乳歯には、なんら かの刺激により、歯質や周辺歯槽骨の劇的吸収が顕著に発現し無制限に進行し、自己崩懐 に至らしめるというある種の防禦機構が内在しているようです。その乳歯特有の激しい病 的硬組織吸収こそその限界を生み出している共通の要因と考えられます。そうだとすると その吸収の進行を制御し得る歯内療法が是非とも望まれます。ところが本来乳歯と永久歯 には、歯それ自身のみならずその他の生理的諸条件にも明白な差異があるにもかかわら ず、それを承知の上でこれまで乳歯歯内療法の拠り所を一般の歯内療法の原則に求め続け てきたし、依然としてそれに執着している向きが窺われます。当然そこからは乳歯のその 問題を解決し得る歯内療法は生じ得ません。むしろその様な背景もその限界を越えること を一層難しくしている様に思います。永久歯サイドからではなく乳歯サイドから練り上げ られた乳歯固有の歯内療法を今こそ再構築すべき時に来ているのではないでしょうか。 さて望まれる歯内療法として何が?演者は20数年前からFC-CV法という方法を実践し てきました。7オ女児の厄の重度の内部吸収性歯周炎の応急処置に端を発します。即ち FC綿球の髄腔内への一定期間の貼薬と、その間の臨床症状消失を経た後の根管口と髄床 底全体へのCV(CalvitalR)の貼付という頗る簡単な術式により、吸収された歯質の一部や 広汎な歯槽骨全域がほぼ完全に再生され硬組織性搬痕治癒に至るという驚愕の事実の発見 が出発点です。まず本法を乳臼歯の内部吸収性歯髄炎20例と歯周炎80例に行い、好成績 (前者:すべて成功、後者:完全な骨再生69%、部分的再生22%)が得られました。その 応用として、乳切歯の単純性歯髄炎、乳臼歯の生活根部歯髄を有する重度根尖性歯周炎に 対して、数回法の生切法で両薬剤を用いても類似の好成績が得られました。さらにその EBMを感染根管治療法の術式に活かすことによって、前述の抜歯適応症の根尖性歯周炎 においても完璧な硬組織性搬痕治癒が齋され、長期に安定した予後も得られました。これ らを修復硬組織再生能を高める共通の効果を生む歯内療法群と考え、順にFC-CV法I型、 I型、m型と規定しました。今回、乳歯歯内療法の限界領域を拓くにあたり、望まれる歯 内療法のモデルケースとして、本法を俎上に載せてみたいと思います。
  • 西田 郁子
    p. 7
    発行日: 2009年
    公開日: 2025/03/08
    会議録・要旨集 フリー
    日常の小児歯科診療において、歯の外傷を主訴に来院する患児は少なくありません。外 傷の原因は、転倒による打撲から交通事故や転落による顎骨骨折まで広く、損傷している 部位(歯牙、歯髄組織、歯周組織)や損傷の種類、およびその症状は、発育段階によって 様々です。 日本小児歯科学会が平成5年4月1日から1年間に行った「小児の歯の外傷の実態調 査」では、乳歯列期では1~3歳の低年齢時に、混合歯列期では7~9歳のいわゆる Ugly duckling stageの幼若永久歯の時期に多いといわれています。 受傷様式は、乳歯列期と混合歯列期では異なります。乳歯列期の外傷では、歯槽骨が弾 性に富み比較的薄いため、脱臼の占める割合が高く、混合歯列期と比較すると陥入の割合 が高いのも特徴的です。歯冠に比べ歯根が長く、唇舌的に圧平され、中央部から唇側に彎 曲しているという解剖学的形態を持つ乳歯では歯根破折の頻度も少なくありません。一 方、混合歯列期では、7歳までは脱臼が多く見られますが、歯根完成、歯列完成および歯 槽骨の緻密化が進むに従い、歯牙破折が増加します。 処置は、発育段階に応じて行なう必要があります。乳歯の場合、約40%の後継永久歯に 障害がみられ、特に3歳以下の受傷では50%を超えています。また、障害の程度は、エナ メル質の変色のような軽度のものから永久歯胚発育停止の重度まだ様々です。乳歯外傷で は、受傷乳歯の保存だけでなく、後継永久歯への影響および咬合育成への影響を考慮した 処置が必要となります。乳歯外傷の多くは患児が低年齢であるためにその対応が難しく、 診査および処置方針の決定には、経験の蓄積が必要です。 一方、永久歯の外傷では、脱臼歯に対しては成長発育過程のため脱臼歯の固定源を確保 が重要です。歯牙破折では、幼若永久歯のため、歯根形成および根尖閉鎖に配慮が必要と なります。しかし、外傷を受けた幼若永久歯の歯内療法処置の予後に関してはEvidence が不足しています。 小児期の歯の外傷は、その対応によっては経過に大きな違いが生じることは明確で、乳 歯では後継永久歯が萌出するまで、幼若永久歯では歯根完成までの長期的な観察が必要と なります。 以上のようなことを踏まえ、乳歯列期および混合歯列期における歯の外傷について、そ れぞれの発育段階における特徴と対応についてお話したいと思います。
  • 大野 秀夫
    p. 8
    発行日: 2009年
    公開日: 2025/03/07
    会議録・要旨集 フリー
    口腔習癖とは不正咬合や口腔の機能に悪影響を及す□腔に関する癖でありオ旨しゃぶり、爪 かみ、口唇癖、舌突出癖、口呼吸、歯ぎしりなどかある。 口腔習癖の原因は子どもの心の成長発達段階で異なるものの、小学生以上の患児におい ては家庭や学校などの心の問題との関連が指摘されることか多いため口腔習癖の中断がな かなか困難となろことがある。このような口腔習癖が惣められる不正咬合の治療は、まず その原因的な要素を注意深く取り除き支援や指導をしなから口腔習癖を中止させることが 重要である。また、必要に応じて咬合誘導装置を使用することもある。 今回、心の問題と密接な関連を指摘される口と体の癖からみた咬合異常への支援につい て述べる。 発表内容 I なぜ『おおの小児矯正歯科方式のOralHabits中止支援システム』をはじめたか? 1997年頃OralHabitsに関して衝撃的な実例を2回経験した。それまで私が考えてい た事、研鑽した事で処理できない事例であった。 Il 『おおの小児短正歯科方式のOralHabits中止支援システム』について 『おおの小児矯正歯科方式のOralHabits中止支援ヽンステム』は子ともをよく把握、理 解し全人的な対応に心がけたものである。そのシステム(こついて紹介する。 皿症例提示 IV 『おおの小児矯正歯科方式のOralHabits中止支援システム』に関する臨床統計的考 察 Oral Habits中止支援を行った症例の中から支援を2年以上行った患者30名について 臨床統計的考察を行った。 V まとめ
  • 藤田 優子
    p. 9
    発行日: 2009年
    公開日: 2025/03/07
    会議録・要旨集 フリー
    ビスフォスフォネートは、成人の骨粗慰症治療の第ー選択薬として汎用され、最近では 小児期の骨形成不全症やステロイド性骨粗慰症に対する使用経験も報告されているが、小 児患者への投与に対しで慎重論を唱えた報告があるもの事実である。一方、歯科領域では、 ビスフォスフォネート治療による顎骨壊死がよく知られている。しかし、ビスフォスフォ ネートが成長期の骨形成に及ばす作用は不明な点が多く、特に成長期の顎骨に関する研究 は極めて少ない。本研究では、成長期ステロイド性骨粗懸症モデルラットに対してビス フォスフォネート(リセドロネート)を投与し、腔骨と下顎骨のpQCT、3DマイクロCT による骨量、骨強度、骨構造の解析、非脱灰標本による組織形態計測を行い、リセドロネー トが腔骨、下顎骨に及ぽす影響について比較検討を行った。その結果、リセドロネートは、 皮質骨の骨形成を促進することによって下顎骨の成長遅延を回復させたが、骨幹端部では 骨形成を抑制したため、腔骨の成長遅延は回復できなかった。しかし、両部位とも骨量、 骨強度低下が回復したことから、リセドロネートは成長期のステロイド性骨粗慰症に対し て有効であることが明らかとなった。
  • p. 10-23
    発行日: 2009年
    公開日: 2025/03/07
    会議録・要旨集 フリー
  • p. 24-45
    発行日: 2009年
    公開日: 2025/03/07
    会議録・要旨集 フリー
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