音声は人間の一番基本的な情報伝達手段であるにもかかわらず,これまでコンピュータで扱いにくかったので,あまり注目されなかった。最近ワープロなどで入力した文書を読み上げられる規則音声合成の技術が実用化されて来た。音声を情報伝達手段としてみたときの特徴および,少し前からある録音合成方式と規則音声合成方式を比較してその損失を述べた。規則音声合成装置および,それに必須の日本語処理について述べた。当面この装置を普及させるための最大の課題は,効果的な利用法を見つけることである。最後に文書の読み合せ校正,電話と組み合わせての無人応答システム,警報システム,教育システム,アミューズメント,イベントなどでの使い方や,障害者が使っている例について述べた。
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