多くの分野で重要な課題であり,かつ学際的なチーマである「安全問題」について既存の多種多様なデータベースのより一層効果的な利用を図るシステム構築の第一段階として,検索用語を選定するための事例研究を行った。本研究では,医薬品分野における,安全に関連する汎用語を専門家により抽出し,その評価を試みた。調査対象としてロバスタチン(高脂血症薬)を採り挙げ,MEDLINEを対象に検索を行った結果475件が得られた。これを安全性についての記載程度から4種類に分類し,安全に関係の高いレコード(46件)と安全に関係の低いレコード(245件)を対象に,抽出された汎用語について相対出現頻度を比較した。その結果,"adverse","safety","toxicity","failure","acute"の5単語は,両レコード間で相対出現頻度に10倍以上の差があり,「医薬品の安全問題」の検索に有用な単語であることが認められた。上記の汎用語の他に,MEDLINEでは"chemically induced"も安全問題に関連して汎用されていたことが分かった。
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