神戸市立中央市民病院で使用されている医薬品集に収載されている医薬品を基に,薬物間相互作用検索システムを構築した。まず,コンピューターでの情報処理を可能にすべく,対象となる薬物の相互作用が薬物群名で記されている場合,それをコード化し,かつ単独の医薬品名のみの組み合わせで検索しなければならない場合,該当する相互作用が隠蔽されることなく網羅的に検索できるプログラムをBASICで開発した。検索効率を高めるべくランダムファイルのレコード番号を検索手段とし,薬物マスターA及びB,相互作用マスターA及びBの4種類のファイルをクロスしてアクセスし,サーチするロジックを組み立ててプログラム化した。実践的運用を重視し,臨床上の重篤度をP.Hanstenの3段階方式で入力し,臨床上の対応に供した。検索所要時間は薬物が1対1の場合は瞬時(4秒)に完了し,薬物数が増加するにつれてほぼn(n-1)の割合で検索時間も増加した。また,レコードの修正,追加等が個々のファイルに直接アクセスする簡単かつ迅速な方法で行え,更にシステム全体がフレキシブルであるので,複雑で逐次変化する薬物間相互作用の情報処理に効果的,実践的かつ経済的に対応できると思われる。
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