日本国内の情報資源の生産やストックが地域的に偏在していることは,たびたび指摘されている。本稿では,そうした情報資源への潜在的なアクセス条件を計測し,地理学的な考察を加えた。まず,交通機関を使った場合の情報資源へのアクセシビリティを求めたところ,情報ストック量ほどの差はないものの,幹線交通網に沿った地域とそうでない地域との間での差が認められた。こうしたマクロな地域差は,通信による情報アクセスが発達するにつれて,解消に向かいつつある。しかし,人々の情報入手環境に対する意識には,通信によらない日常的な情報アクセス条件が,依然として大きな影響を及ほしている。
抄録全体を表示