情報化の進展は,企業活動においてめざましいものがある。昔のようにコンピュータがバッチ処理を行っていた時代から,今日のようにネットワーク化された利用まで,その技術の発展に伴い企業活動における情報の価値までも大きく異なってきている。このような現実の変化が生じているとき,なぜこのような変化が生まれているのか,すなわち経済活動全体からみたとき,経済活動が情報化していくのはなぜなのかという疑問が生まれるのは自然であろう。本稿はこうした疑問に経済学が答えうることができるかどうかを考察したものである。そこでは,情報アクティビティという一つの概念を提起し,さらにマネジリアル・エコノミクス,意思決定論などで議論されてきた不確実性と情報基準,産業組織論から取引費用,また情報産業論など過去多くの研究成果が発表されてきているものから関連する概念や分析手法を援用することによって,情報化進展の経済的要因を抽出することを目的としたものである。
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