パソコンが急速な普及を遂げた1980年代後半に誕生したCD-ROM検索は,年間定額料金制と簡単なインターフェイスを武器に飛躍的な発展を遂げ,現在では情報検索の一つのチャンネルとして定着している。米国のOVID Technologies社とSilver Platter Information社に代表される,学術分野をターゲットとしたCD-ROMベンダーは,オンラインと競合しつつ成長してきた。この2社はインターネットが普及しつつある今,そのネットワークを利用したオンラインビジネスを始めている。まず,CD-ROMネットワークの歩みを概説し,前述2社の歩みとそのオンラインサービスを紹介する。また情報検索サーバを各利用サイトに設置するべきか,商用オンラインを使うべきかという問題にも触れ,海外での著名なサイトの導入例も報告する。更に「データ問い合わせプロトコル」などの標準化がもたらす利用環境や,電子図書館構想とも関連づけて今後を展望してみた。
抄録全体を表示