組織経営のエグゼクティブが直接的に意思決定に携わる機会は多くないが,意思決定の基本となる価値基準を与えたり,高位の政策的情報のセンサーとして機能する等,その役割は広い意味での組織の意思決定の中枢として理解することが出来る。従って,エグゼクティブの情報環境を考えるためには,組織における意思決定と情報という面から考える必要がある。本稿では,組織の知的活動の全体をとらえる概念として組織問題処理の循環過程と最近提唱されている「組織知能」パラダイムによって,企業トップの役割と情報環境の持つ意味について考察し,組織知能高度化におけるエグゼクティブの情報環境の重要性について述べる。
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