アメリカでは,さまざまな試行錯誤を繰り返しながら,サイバースペースを基盤とする新たな社会発展のパラダイムが形成されようとしている。それは,サイバースペースが内包しているインタラクティブな特質をうまく活用することによって, コミュニケーションのあり方を変革し,企業の競争力強化だけではなく, より民主的な社会を構築しようとする積極的な姿勢を示すものである。サイバースペースの関連する動向の中で,いま,もっとも注目を集めているのが,電子マネーの開発とその社会的影響である。サイバースペースの成否は, ここにあるといっても過言ではないだろう。そこで,電子マネーの社会経済的インパクトについて検討した。デジタル革命は,企業革命であると同時に,広く,社会・経済・文化的な革命でもある。今後,さまざまな主体を結び付ける工夫をすることが重要になるだろう。
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