外国雑誌の価格は,定期的な値上がりと最近の円安傾向の相乗効果により,飛躍的に高騰している。従来,限られた予算内で雑誌予算を運営する手段は,所蔵タイトルの見直しや契約先の検討,代理店との価格交渉などであった。印刷形態の出版物から電子媒体への移行を背景に,学術雑誌の発行部数は減少し,価格高騰が加速するという悪循環の中で,大学図書館は抜本的な対策を早急に講じる必要性が生じている。外国雑誌を多く所蔵し,そのほとんどを海外代理店から一括購入している国際基督教大学図書館もその例外ではない。円安の影響により,1994年度から国際基督教大学で全学的に進められてきた雑誌の見直し作業は,購読タイトルの半分を占める自然科学系外国雑誌を中心として, 2000年度までに段階的に雑誌本体を中止し,電子媒体で代替していく方向づけがなされつつある。整備された学内ネットワーク環境を背景に,雑誌本体の購読から,情報アクセスや文献入手への移行を押し進めている事例を報告する。
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