本論文は, 学術情報センターが実施した「日本情報の国際共有に関する研究」の成果発表のために来日した元英国図書館研究開発部長のDr.Brian J.Perryが, 1999年10月26日に日英ライブラリアン・クラブの会員のために行った講演原稿を, 同博士の承諾を得て当協会が翻訳したものである。図書館関係者に向けた講演のため標記の主題となっているが, インターネットにより変化しつつある社会および情報環境について洞察し, 新しい時代の情報担当者の使命と役割を説いたもので, 図書館員に限らず広く情報に携わる人々に示唆を与える内容となっている。同博士は, 英国図書館の研究開発部門の創設と基盤確立の功績はもとより, 英国文化相の諮問機関であるLibrary and Information Serviceのオブザーバー, Institute of Information Scientistsの評議員, Super JANET Advisory Committe of Networkの委員, FIDの英国代表等, 英国図書館在職中は多数の役職にあり, 英国のみならずヨーロッパの図書館・情報産業界の重鎮として活躍された。日本に関しては, 同氏のイニシャティブで英国図書館研究開発部と紀伊國屋書店が1992年「日本の大学図書館の将来」というマルチクライアント調査研究を行い, 1993年9月に成果報告書を出版している。
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