科学の不正行為は, 氷山の一角であり, それは予想をこえて科学界に広く浸透している.日本では, 政府, 助成団体, 大学, 学界などは, 不正行為の存在を認めたがらず, 組織的な対応ができていない.アメリカにおける研究公正局(Office of Research Integrity)のような機関も存在せず, 研究者の関心も低い.本稿では, Medlineデータベースをもちい, まず不正行為に関する文献数を示し, そして不正行為の出現数, オーサーシップ, 重複出版, 不正行為の定義について主要な文献を紹介し, このテーマへの接近を意図している.
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