企業における情報の入手・活用を「情報戦」と呼ぶのは,限られた経営資源の下で,しかも競合他社に勝利しなければ無意味となってしまう極めて熾烈な競争だからである。効率的な情報戦を展開するには,情報クライアントと目的意識を共有する他,仮説・検証の積極的活用が重要である。インターネットを活用する情報戦(e-情報戦)は便利な側面があるが,二次情報源としての限界を超えることはできない。一次情報を自らの目と耳で現場確認するr-情報戦との効果的な結合が,情報戦の勝敗を決する。経営トップが情報戦の意義を理解し,情報に基づいた科学的な意思決定を推進しなければ,21世紀の厳しいサバイバル戦には打ち勝てない。企業も国も,情報戦の実践こそが,その優劣を決する。
抄録全体を表示