国内での学術雑誌の著作権処理は,完全には機能していない。主な原因は,1) 学術雑誌の著作権処理機関が複数に分かれていること,2) 各管理著作物が網羅性を欠くこと,3) 利用者の意見が十分に反映されていないこと,などが挙げられる。また,国内の学術出版者では著作者と出版者の関係が曖昧なままになっている場合が多い。それは,主に出版者自身の著作権への理解が乏しいことにある。この解決がなされなければ,本格的な電子ジャーナルの登場も期待しにくい。本発表では,このような現状を紹介し,そこからどのようにすれば円滑な著作権処理や新しいビジネストレンドが可能であるかを提起する。
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