本稿は,デジタルレファレンスサービスの概要を示し,伝統的なレファレンスサービスとの相違を明確にすることを目的として,日本における現状を整理する。まず,用語の広がりを確認した上で,依拠する概念を確定する。また,先行研究における主要な関心事を指摘する。次に,コミュニケーション機能,インフォメーション機能,ネットワーク機能の点から,ICTを活用したレファレンスサービスの様相を考察する。最後に,デジタルレファレンスサービスの特性を,時間的対応,遠隔利用,協同の可能性,職員の新たな役割,サービス構造の変容の5点に集約し,分析を行う。
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