企業の業務活動の健全化と効率化のために内部統制が強く求められるが,その骨格部分を支えるのが文書・情報管理の仕組みである。過去の不祥事,粉飾事件を見れば,いずれも文書,データを偽造し,社会を欺いてきたのであり,こうした偽造,粉飾を許さない正確な記録,記録された文書の活用と厳格な保管など,文書管理システムを構築する必要がある。情報が急増し,データ量が飛躍的に増加するとともに紙の使用料も激増している。こうしてデータと紙の両方が増加していることから,その合理的管理,利用環境の整備は必須であり,両者を徹底的に利用することで効率化が推進され,競争力に結びつくのであり,両者を包括する文書管理が求められる。コンプライアンスはいまや商品,サービスの品質に直結し,その信頼の基礎になっている。コンプライアンスを厳格に守ることが競争力となるという新しい状況を正確に理解する必要がある。
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