本稿の前半では,インドの出版事情をめぐって,電子書籍/印刷書籍,多言語出版,政府系出版者/民間出版者,書籍流通,書籍小売業などのトピックを取り上げ説明する。あわせて,出版者が組み込まれている法定納本制度,納本図書館の一つであるインド国立図書館にも言及する。本稿の後半では,情報源の利用という観点から,国立国会図書館(NDL)が所蔵するインド刊行資料の概要を述べる。特に政府系刊行物については,ウェブ上でのアクセス方法にも触れる。最後に,NDL利用者と資料・情報の結びつきを下支えしている,NDL関西館アジア情報課の選書業務,コンテンツ作成業務を紹介する。
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