本稿は,草の根の,営利を目的としない逐次刊行物であり,一般図書館等でアクセスしにくい「ミニコミ」について,研究資源としての可能性を示すことを目的とする。筆者の勤務先である立教大学共生社会研究センターが所蔵するミニコミ・コレクションと,それにまつわる試みとを事例として検討し,ミニコミが,書かれた文字以上のものを伝える,コンテクストと強く結びつけられたメディアであり,むしろアーカイブス資料に近いものであることを明らかにする。そのうえで,そうした性質を持つミニコミを保存し,研究資源として利用に供することにまつわる課題等についても考察を加える。
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