健全なログ情報活用のためには,プライバシー上のリスクに対する正しい理解の上で,最善な技術的措置を講じることが重要である。本稿ではログ情報の活用のために必要と考えられるプライバシー保護の技術的手段に関して考察を行う。本稿ではログ活用のプロセスをログ情報の提供者,処理者,活用者の3主体に分類し,その主体間でそれぞれ,入力プライバシー,処理プライバシー,出力プライバシーを定義する。次にその上でのリスクを定義し,リスクの要因となる処理形式や背景知識について整理し,対策となる技術を紹介する。
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