東日本大震災に関する震災アーカイブ・プロジェクトが数多く存在するなかで,被災地の地域コミュニティにおけるアーカイブ活動は多くの課題を抱えている。本論では,まず,地域密着型の震災アーカイブ活動である,「311まるごとアーカイブス」,「3がつ11にちをわすれないためにセンター」,「NPO法人20世紀アーカイブ」についてそれぞれ紹介した後,それらを含めた地域コミュニティに内在的なアーカイブ活動が抱える主な課題として,資金不足,人材不足,知識不足などについて述べるとともに,記録と利活用の問題,権利処理の問題などについて検討し,最後に地域コミュニティにおける震災アーカイブの展望について論じる。
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