現代社会を生きる我々は,知らないうちに無数の情報に巡りあう。データの持っている「質」も複雑なものになり,それらのデータ群から「意味」を見出すのは困難を極める。近年,「ビッグデータ」という言葉がメディアに取り上げられて久しいが,データの集合自体はとても「無機質」なものである。そこから意味を見つけ,正しい解釈を行い,有効活用したいものの,それは専門的知識を有する一握りの特権となっている。万人が平等に,データから意味を見出すには,旧来のグラフでは,表現に限界があるだろう。見たい尺度で,別視点での描画を行う操作性・機能性を保持したグラフに出会うことは少ない。膨大なデータ群が今後も増えていく状況の中で,インタラクションを伴う「データビジュアライゼーション」と呼ばれる可視化技法について,その意義や手法について解説したい。
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